本日で、お盆も終わりです。そして終戦記念日です。
ラジオでは、いろんな戦争体験の話をしていますが、
この歳になって、まさかこんなに戦争が間近になるとは思っても見なかったので
なんだか聞こえ方も違います。いろんなことを考える日になりますね。
さて、先日の続きです。。。
2021年の9月から、具体的な構成を進めていく打ち合わせが始まりました。
第一回目の全体打ち合わせでは5章分の内容の概要説明。
それに伴って、表紙イラストの修正が何度か入りました。
内容が史実メインなので、どうしても教科書っぽい内容になりがちなところを
イラストや、分かりやすいレイアウト、文章の読みやすさで進めていく構成で
携わっている私たちも『へえ〜〜そんなことがあったんだ!』と驚くような内容がたくさんありました。
まず第1章の元寇時代から進めていきます。
始まりは鎌倉時代の蒙古襲来。百道、という名称が歴史に登場します。そして何もない原っぱに元寇防塁が造られます。
遺跡になっていた江戸時代頃から松原が整備され、紅葉八幡宮や西新町、路面電車が通り、人が集まり始めます。
とにかくテキストデータが多かったので(どうしても史実なので量が増えますね!)
なるべく見やすく、文字を減らしたり、写真を大きくスッキリレイアウトしたり、といったことに
かなりデザイナーさんは苦悩されていたようです。
写真が白黒になってしまうので、絵巻物を基にした、当時の武士や足軽などを北斎漫画のように愉快に描いたり
バンカラの学生や、路面電車、大正時代の子供たちを元気よくイラストにしたりしてます。
下記は、イラストラフ線画の段階のもの。本には着色されたものが掲載されています。
次は、第2章です。女性担当者の方一押しの
大正時代にオープンした大規模レジャー施設としての海水浴場です。
その当時の新聞や絵葉書などを参考にして、とにかく人、人、人!目一杯人を入れてください!!とのオファーでした。
ウォーリーを探せ!の絵本くらいの密度です!
今だと怪我人続出で絶対問題になりそうな、大桟橋や飛び込み台、手作り感満載の木製の遊具たち…。
あ、最後の方の追加指示で、某国民的アニメの一家をひっそりと入れましょう!と。
あと、百道地区が舞台となっていた某局のドラマの家族もいます笑
あと、写真資料の人の密度。完全にカオスです!すごいですよね〜。コロナ禍の今見ると寒気がするほどです〜笑
このイラストに全ての事象を一気に詰め込んで、その後のページで、細かく場所ごとに説明のページを載せていきます。
この章は、レイアウトの修正がかなり何度も何度も出たので、デザイナーさんは大変だったようです!
イラストの方も、写真を確認しながら、この施設は実はこちらにあって、、、いや、こっちかな?など
海水浴場だった時代が長いので建て替えたり増設されたりもあったり。
完成までに二転三転あった思い出深いイラストです!
内部のページは、弊社もイラスト含めレイアウトのラフを作ったりしてアイデアを出したりもしました。
最初は、まだ余裕があったので『左隅にパラパラ漫画スペースを入れたらどうでしょうか?などとアイデアを出しました。
最終的には、そこまで書き上げる余裕がなく、このアイデアはなくなりましたが、、、。
今思えばやりたかったなぁ〜〜。締め切りがあと1ヶ月あったら、、、とこれはちょっと後悔です。
章ごとに、内容もレイアウトも変えながら、とにかく単一にならないように苦労されていました。
新聞社提供の写真もありますが、夜の写真は今みたいに鮮明ではないので、花火や人の表情など筆で書き足したり
脚色がすごいです!よく見ると、眉毛がきりりとし過ぎていたり…笑
『博多にわか』の写真なんかも、本はイラストですが、元ネタの葉書はなかなかにシュールで面白いです。
このセリフは、葉書から入れましたが、具体的すぎたのでもう少し簡素にしました。
いろんな箇所で使えるように、大正風の人物イラストも何点か描きました。
採用されたものも何点か掲載されています。
一大レジャー施設だった海水浴場も人気の翳りが見え始め、水質汚染もあり、昭和50年に完全閉鎖になります。
第3章は、そこからニュータウンももちの歴史が始まります!未来感が一気に出てきます!
1961年頃、工業都市としてのニュータウン構想の中で以前からこのももち地区が浮上していたものの、
福岡中心部の住宅が足りなくなっていたこともあり、海洋汚染も解消する
緑豊かな『暮らせる』『働く』『学ぶ』『楽しむ』まちをつくるという
構想が徐々に浮上します。今でいうSDGsの先駆けのような考え方がもう既に出ていたんですね〜。
そういったちょっとかたい内容のまちづくり資料を当初の構想イメージ風に表現し、
コンセプトイラストをまぶしながら説明しました。
レポート用紙に、手書きで記したようなイメージです。
最初に文章をもらって、それをもとにちょっと多めの線画を描き、その中から使うものを選別してもらいました。
せっかく描いたので、ボツになったイラストたちもここにちょっと載せておきます笑
この章は、長い間福岡市が構想を練って進めてきた内容なので、少し曖昧にしつつも次の『よかとぴあ』開催までの
福岡市の考え方や進め方をゆっくりと説明しています。まちづくりって一方方向ではなく、いろんな要素が重奏になって
合わさって少しづつ進みつつ決まっていくものなのだと考えさせられます。
最近は再開発などの仕事もするようになったので、その辺の行きつ戻りつの感じ、よ〜くわかりますね〜。
この次は、いよいよ福岡のシンボル『福岡タワー』完成とともに始まる、
福岡初の大博覧会『アジア太平洋博覧会 よかトピア』が始まります!
つづく
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